2013年7月17日水曜日

考古学者・児玉さんと小牧野遺跡

緑溢れるこの景観、ここは森?いいえ、実は遺跡なんです。

ここは、青森市野沢にある「小牧野遺跡」。
青森港に隣接した青森駅からは、車で約30分の場所にあります。

私は今回初めて小牧野遺跡を訪れたのですが、
車から降りて、目に映った景色は、自然あふれる森。
空気がとても澄んでいて、思わず深呼吸したくなります。

小学生のころ、社会見学で訪れた三内丸山遺跡の印象から
もう少し、人工的な遺跡を想像していたのですが、
そんなイメージからは、かけ離れていました。

でも、ちょっと歩くと、まるで自然と溶け込むように違和感なく遺跡があるんです。



ここは、「捨て場跡」。沢山の土器や石器のほかに、土偶や三角形岩板などが見つかっています。

これは、小牧野遺跡目玉の環状列石(ストーンサークル)です。
なんと、直径は約55mもあります。



小牧野遺跡は、平成元年に発見された、約4000年前の縄文時代後期の遺跡です。
ちなみに、この環状列石に使われている石は、遺跡近辺にある「荒川」から歩いて運ばれたものなんだそう (下の写真をご参照ください!) 。



近い、とは言っても、手前の茂みの辺りが遺跡で、距離にして500~1000m。
結構遠いですよね・・。
なんでも、近道と回り道があって、近道を通ると20分ほどで着くんだそうです。
でも、すごく険しい道で、慣れた人じゃないと通るのは難しいし、
小さめの石じゃないと運べないのだそう。
なので、大体は遠回りの道を1時間くらいかけて運んでいるんだそうです。

ちなみに、今回の岩木遠足で、小牧野遺跡で出会える児玉さんも、実際に運んでみたんだとか!

石の運搬具製作の様子
(「**小牧野遺跡までのご案内**|こまきの自然学校 - Ameba」http://ameblo.jp/stonecircleより。)

児玉さんの好奇心旺盛でひたむきな人柄が伝わってきます。

さて、そんな児玉さんって一体どんな方なのか、気になりますよね?
ここで、児玉さんを紹介したいと思います。

「児玉さーーん!!」


この、少年のような笑顔で火起こしのポーズをしてくださっている方が、
考古学者の児玉大成さんです。

一見、どこかのバーで夜な夜なバーボンを飲んでいそうな、ダンディなおじさま。
でも、小牧野遺跡を保護したい一心で、2~3年かけて条例をつくり、
子どもたちに自然や文化に興味を持ってもらうべく「こまきの自然学校」を立ち上げるなど、小牧野遺跡や自然について、並々ならない情熱をお持ちの方なんです。

そんな児玉さんが小牧野遺跡をつくるときに意識したのが、単に遺跡を保護するのではなく、景観をキーワードに整備すること。
たとえば、遺跡から見える八甲田山も小牧野遺跡を形成する要素の1つだし、
縄文時代にはなかった杉は伐り取って、可能な限り近代を排除していっているんだそうです。

でも、ただ伐採して終わり、ではなくて、
たとえば、こんふうにチップにして道に敷き詰めてみたり、



こんなふうにかわいいオブジェに生まれ変わらせてみたり。
とにかく、自然を上手に活かすことを、考えている方なんです!!
ちょっとでも児玉さんや小牧野遺跡の魅力が伝えられたでしょうか?

まだまだ足りないよ!という方も、
もっと児玉さんや小牧野遺跡のことが知りたい!!という方も、
自然に癒されたい!という方も、

岩木遠足でお待ちしております。


(岩木遠足スタッフ=櫛引)

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